2015年12月12日 (仮訳)形態形質および分子データにより中国産Postia属2新種が明らかになった Shen, L-L., Liu, H-X. & Cui, B-K., 2015. Morphological characters and molecular data reveal two new species of Postia (Basidiomycota) from China. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1032-4 [Accessed December 12, 2015]. 【R3-02463】2015/12/12投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国の亜高山帯からPostia gloeoporaおよびP. ochraceoalbaの2新種を記載した。 前者は子実体が白色扇状で孔口が膠状、担子胞子が楕円形であることなどで特徴づけられた。 後者は子実体が重生し、傘に黄褐色の環紋を有し、孔口面が白色で、担子胞子がソーセージ形であることなどで特徴づけられた。 中国チベット自治区ニンティ地区波密県 (新種) Postia gloeopora L.L. Shen, B.K. Cui & Y.C. Dai 語源…膠状の孔口の 【よく似た種との区別】 Postia zebra 中国のみに分布が知られている 子実体が一年生 子実体が傘状 孔口面が白色 子実体が傷ついても変色しない 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子が楕円形 シスチジアを欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘表面に灰褐色の環紋を有する 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なりシスチジオールを欠く 本種と異なり実質の菌糸が薄壁 本種と異なりゼラチン化した菌糸を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Postia floriformis(レンゲタケ) 中国に分布する 子実体が白色 子実体が傘状 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子が楕円形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国のみではなくヨーロッパ、北米にも広く分布する 本種と異なり子実体が重生する 本種と異なり子実体に柄を有する 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なりシスチジオールを欠く 本種と異なりゼラチン化した菌糸を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Postia dissecta 子実体が傘状 傘が白色 傘が扁平 傘縁部に長縁毛を伴う 担子胞子のサイズが類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくアルゼンチンなどに分布する 本種と異なり孔口面が白色ではなく淡褐色 本種より孔口のサイズが僅かに小さい 本種と異なり孔壁が全縁または切れ込みを有する 本種と異なりシスチジオールを欠く 本種と異なり一部の菌糸に帯黄色の原形質を密に含む 本種と異なりゼラチン化した菌糸を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Postia ptychogaster 子実体が傘状 担子胞子が楕円形 本種と異なり中国ではなく北米、北欧、中欧に分布する 本種と異なりシスチジオールを欠く 本種と異なりゼラチン化した菌糸を欠く Postia wakefieldiae 子実体が傘状 担子胞子が楕円形 本種と異なり中国ではなくイングランドおよびフランスに分布する 本種と異なり傘表面に環紋を有する 本種より孔口のサイズが僅かに小さい 本種と異なりシスチジオールを欠く 中国四川省カンゼ・チベット族自治州瀘定県海螺溝冰川森林公園 (新種) Postia ochraceoalba L.L. Shen, B.K. Cui & Y.C. Dai 語源…黄褐色と白色の(傘表面と孔口面の色から) 【よく似た種との区別】 Postia lactea 中国に分布する 子実体が一年生 子実体が傘状 子実体が傷ついても変色しない 担子胞子のサイズが類似している シスチジアを欠く グレオシスチジアを欠く 生殖菌糸が僅かに厚壁 生殖菌糸に幅広いルーメンを有する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が重生ではなく単生する 本種と異なり傘表面に環紋を欠く 本種と異なり傘が凸形~蹄形 本種より孔口のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Postia cana 中国に分布する 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子実体が重生する 傘表面に環紋を有する 子実体が傘状 傘が半円形 傘縁部が乾燥すると内側に屈曲し蹄状となる 子実体が傷ついても変色しない 担子胞子のサイズが類似している シスチジアを欠く グレオシスチジアを欠く 本種と異なり傘が新鮮時粘土黄褐色、黄褐色、帯灰褐色ではなく粘土桃色~黄褐色 本種と異なり孔口面が傷つくと淡褐色を帯びる 本種より孔口のサイズが大きい 本種と異なりKOHで膨大する菌糸を有する Postia japonica(ヤマトオシロイタケ) 子実体が重生する 傘表面に不明瞭な環紋を有する 孔口が新鮮時白色 本種と異なり孔口面に琥珀色の液滴を生じる 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子がソーセージ形ではなく嘴状突起に向かって先細りになる楕円形 本種と異なり実質にデキストリノイドの骨格菌糸を含む